書家矢萩春恵さんにみる「たおやかさ」と「おとこぎ」

今日から高校は試験が始まりました。先週は4つの試験と解答用紙作りに追われていましたが、今週は試験監督と採点さえすれば後は自由な時間が過ごせる夢の週です。

どんな風に過ごそうかなぁと思ったとき、銀座松屋で今日まで開催されている書展に行ってみることにしました。

「矢萩春恵と門人書展」です。門人のひとりに中学高校のときの友人がいて、フェイスブックでお誘いを受けたので楽しみに伺ってみました。

 

会場は最終日ということもあるのか、とても賑わっています。

ご親戚の方を案内中の友人とも会うことができ、早速作品を拝見しました。

友人後藤円さんはフルートの演奏もなさるので、作品も「笛吹人」で彼女そのものです。

自由でのびのびした筆の運びが実に味わいがあり、書のことがよくわからない私でもみごとな作品だと感じられました。

バックの紙を金色にしたのは、フルートがゴールドであるためだそうで、楽器を演奏する人の多くがそうであるように、楽器を愛しているんですね。

また天井にはこんな作品が・・・

大空にはたくさんの「夢」があり「星」や「月」もある、という意味なのでしょう。ロマンチックな演出も楽しめました。

 

 

 

 

このあと矢萩春恵さんのお姿も間近で拝見して、お許しをいただいてお写真を撮らせていただきました。

淡い色のお着物姿も美しくていらっしゃいました。

バックの着物には、阿倍仲麻呂の「天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも」の歌が描いてあって、何にもとらわれない自由な心を感じました。

こんな小さなお体が生みだす作品は、大小さまざまです。

小筆で書く作品には「たおやかさ」が見られますが、大きな作品から見られるものは、矢萩さんが憧れる「おとこぎ」そのものだと思いました。

この「笑」という文字、縦が78㎝、横は175㎝もあるんんです。

真っ直ぐでおおらかな、もっというなら豪快な笑いがここにはあるのかもしれません。

この「樂」はいかにも楽しそう!

「笑」にしろ「樂」にしろ、空間にも「美」を感じます。

この空間が余裕であり、余裕があるから「笑い」や「楽しさ」も生まれるということなのかしら、と思うのです。

 

多彩な作品をずーっとみてまわると、最後のほうのお部屋は著名人の方々の作品が並んでいます。

文字の選び方に既にお人柄があらわれています。

さらに筆、紙、空間の取り方、文字のサイズ・・・全てその人となりが感じられます。

 

そうか、「書」ってこんなに豊かで面白い世界だったんだなぁと感じました。各界で注目されている方たちの作品の面白さは、既に知っている公的なその方のことを思い浮かべながら作品を拝見できるということです。

「花のながれ」は女優の司葉子さんの作品。

「天上大風」は写真家の浅井慎平氏。

「虫塚」は虫大好きの学者で「バカの壁」の養老孟司氏の作品。

 

「日 日」はデザイナーのコシノヒロコさんの作品で、英訳するとday by day。

「天真爛漫」は「こちら葛飾区亀有公園前派出所」通称「こち亀」で大ブレイクした漫画家の秋本治氏の作品。

「達磨」は片岡鶴太郎さんの作品。

墨の滲み具合が面白い上に、彼の生き方同様ユニークな作品です。

会場の終わりの辺りに矢萩さんの歩みを紹介するビデオを鑑賞できるコーナーがありました。

いったいどんな人生を歩んでらした方なのでしょう、と興味深く拝見してびっくり‼

インタビューと語りをやっているのが、大学時代の友人の吉崎典子さんだったのです。

人生の大先輩の矢萩さんに「好きな男性の好みは?」などとズバリと質問してするりと交わされ、それでもさらに上手に尋ねて、「鬼平犯科帳の・・・」と核心に迫るおこたえをいただいていました。さすがプロ‼

 

そうこうするうちに、待ち合わせしたわけではないのに、今年になって何度か会っている友人たちとバッタリ!

そしてしばらくすると、作品を展示されている安倍首相のお母様の洋子さんも会場にいらっしゃいました。

そのほかにも女優の長山藍子さんのお姿も拝見しました。

 

そうそう、ワークショップもあり、すすめられて書に挑戦してみました。お手本を見ながらおっかなびっくり書いたのがこちらです。

ぶっつけ本番、たった一回きりのチャンスしかいただけませんでしたが色々な作品をみたあとでしたので楽しめばいいんだなぁと思いました。

 

今日も思いがけず色々な方とお目にかかることができました。

ひとりの女性の中に「たおやかさ」と「おとこぎ」とがみごとに同居することも学びました。

枠を外したところに本当の自分が見つけられることを教えていただいた今日という日でした。

本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。