お接待(せったい)~美しい心at四国

ゴールデンウィークが山場を迎えます。青葉若葉に生命の輝きが感じられますね。

熊本・大分の方たちはお疲れがピークではないでしょうか。大変な中にほんのいっときでもほっとすることがあるとよいのですが・・・笑うことで身体がゆるみ、リラックスできるそうです。

ボランティアに駆けつける方も大勢いらっしゃるようですね。もともとの日本人の、本当の意味での「大和」の精神がこんな時に発揮されることを知ると嬉しいですね。大きな和を作っていきたいです。「和」です。

ここのところ何故か気になるのが空海、そう弘法大師です。その弘法大師のふるさと四国には、「お接待」という美しい習慣があるそうです。四国八十八か所のお寺を巡礼するお遍路さんに、土地の方が無償で食べ物や飲み物などを提供してくださる風習のことです。

交通手段の整っていなかったその昔、巡礼の旅はさぞや厳しいものだったと思われます。そんな厳しい旅に出るのは何か「わけ」があったからでしょう。病気の子どもや連れ合いを抱えている人もいたでしょうし、自分自身に深刻な問題を抱えている方もいらしたでしょう。普通の生活を送っていては救われない「何か」があった。その「何か」に一筋の光明がさしこむことを藁(わら)にもすがる思いでなさったのが「お遍路」ではないかと思うのです。

そんな「お遍路」さんが通る道の方たちには、「お遍路」なさる方たちの必死の思いがわかるから、何かしてさしあげようとの思いで「お接待」をなさってきたのだと思います。土地の方には、「お遍路」さんの後ろに「同行二人」でついて下さっている弘法大師さまの姿が見えているのかもしれません。

今は開運を目的にお遍路なさる方も増えているようです。どんな方にも少なからず問題はあるものです。なんにも問題がないなんてことはまずないのが人生です。ですから誰がどんな目的で「お遍路」しても自由ですが、「お接待」を受けた方の中には、最近はツイッターなどのすぐに広まるものを使って、「どこそこでお接待を受けましたぁ!」と情報を公開する方もいらっしゃるとか。

感謝の気持ちで発信されるのでしょうが、そこは「ちょっと待った!」です。

手づから受けたご恩は、心の中にとどめておきたいものですね。情報は今やあっという間に広まります。静かに存在する「まこと」のお気持ちが何か化学変化を起こしそうであやぶまれます。

四国という土地の美しい風習「お接待」の心は、それを受けた方が身近な方にお返ししていくことが大切なのではないかと思います。一瞬にして世界に届く媒体を通して「どこでどんなサービスを受けられます」と発信するものではないと思うのですが如何でしょうか。

このゴールデンウィークが皆さまの心に潤いをもたらすものとなりますように。