不思議なお話

不思議なことがよく起こります。ドラマにしたら嘘くさいようなことが日常茶飯に起こるのです。「噂をすれば影」の言葉通り、ばったり会ってびっくりなんてことが多いです。

最も驚いたのは、数年前に久しぶりに会った小学校のときの友人と六本木を歩いていたときのこと。「そういえばCちゃんは西城秀樹が好きだったわね。ヒデキ!って騒いできゃあきゃあ言ってたね。」なんて話していたら、目の前に秀樹ご本人がいたのです。横顔からはっきりわかりました。びっくりして発した声に反応して振り向いてくださったことで、ご本人だということは確かです。スリムなジーンズに栗色の革ジャンというカジュアルな装いが決まっていました。

写真家の長倉洋海さんの本を読んでいたとき、目の前の席にそのご本人が座ってらしたなんてこともありました。ちょうどその本を薦めてくれた方と会うタイミングでした。あまりに眼光鋭くて声をかけることはできませんでした。後に確認したところやっぱり長倉さんでした。

高校2年生の夏に突然父を亡くした私の歩んで来た道は、なかなかに刺激に満ちた厳しいものですが、時々ご褒美もあります。憧れのヨーロッパには、同じ職場の母ほどの年齢のY先生が連れて行って下さいました。その旅上、セーヌのほとりで知人にばったり!同僚のTさんでした。Tさんとは、いまだにお年賀状のやりとりが続いているのですが、私の脳みその断面図が見てみたいとかつて言ったことは覚えているでしょうか。

出歩くと必ずといっていい程、誰かに会います。ちょうどお店を出た瞬間だったり、角を曲がった瞬間だったり、スクランブル交差点の真ん中だったり、山手線の電車のあちら側とこちら側だったり・・・きりがありません。

昨年秋に親友と食事をしていた時のこと。銀座風月堂2階の窓ぎわの席だったのですが、通りには何といとこの奥さんとお嬢さんが歩いていたのです。しかも、あっと思った途端二人はこちらを見上げてくれました。いとこの奥さんのRさんは、実家にあまり帰らなかった私の代わりに母によくしてくれた恩人でもある人です。その彼女のことが気になっていた矢先でしたから驚きました。

昔見た映画で、天上で神様が人をチェスの駒のように動かしている場面がありましたが、一瞬ずれたらかなわなかった出会いというのが、きっと誰にもあるのではないかと思うのです。私の場合はまるで仕組まれていたかのようにばったり出会ってしまう。

人と人との関係は複雑に絡み合う糸のようなものなのかもしれません。どうしてこんなことが!?という不思議や、時に理不尽と思えることを解きほぐしていきなさいという天からのメッセージなのかもしれません。