今日は一日ジモッティ

久しぶりに仕事のない土曜日、一日「地元」を堪能しました。

まずは地元自治会主催の、地元小学校における地域の避難訓練。

地元の消防士さんが災害時におけるノウハウのあれこれを指導して下さる貴重な会です。

日頃通りすがりに会釈するだけの地域の方たちとふれあう機会は、犬の散歩でもしていたらワンちゃんつながりで楽しいおつきあいもできるものかもしれませんが、勤めに出ていたりするとなかなか持てないのが現実です。普段めんどくさいと思いがちなご近所の方とのふれあいって、実は有難いものなのだなぁとつくづく感じました。

せっかく下町に生まれ育ったにもかかわらず、地元と深くつきあってこなかった私にとって、嫁いでやってきた東京郊外のこの地において、地元のよさを感じる日が来ようとは思いもよらなかったことです。

地域の方たちは、見てないようで見ていて下さるんだなぁと肌で感じました。子どもたちのこと、日々勤めに出る私の姿、ケアセンターに出かける以外の外出はしなくなっている義母のことなどなど、色々と見守っていて下さったんだと安心に近い気持ちを抱きました。ありがたいことです。

各自治会の方たちの簡単な説明に引き続き、校舎を提供してくださっている小学校の校長先生からひとことご挨拶がありました。

一番下のぼーずが小学校にお世話になっていた頃、くじ引きで(仕事のために出席できなかった私の代わりにクジを引いた誰かが)当たりを引いて、結果的にPTAの代表のひとりとなってしまったことがありました。その年に副校長として赴任してらしたのが、今の校長先生です。

PTAの仕事は、私の「闘いの日々」でもあり、そのときに今の鑑定士となる道に導かれたようにも思います。もしかしたらそのもう一つ前の「闘いの日々」から既にこちらの方面に道ができたかもしれません。そのお話は時が来たらお伝え致しますね。過酷な現実と、本当の人の姿というものを学んだ出来事でもあったからです。

さて、女性らしい細やかさと、しっかりしたリーダーシップで、地域や子どもたちを見守って下さっている今の校長先生のもと、曇り空なのに爽やかな雰囲気で始まった防災訓練は、もう何度か経験しているにもかかわらず、あらためて日頃の地域の結びつきの大切さを実感することとなりました。

「AEDの使い方」「毛布を用いてのケガ人の運び方」「煙の中を進む訓練」「消火器の使い方」「起震車での揺れの体験」などなど、どれも必要と思われることを地元の消防士さんが懇切丁寧に教えて下さるのでした。

ベテラン消防士さんのお話の上手さもすごいけれども、若い消防士さんの熱意にグッときてしまいました。国会で拍手を送ってらした議員の方たちもこんな気持ちからであったでしょうか。そうだとよいのですが・・・

そして、主催された地域の自治会の方たちの日頃からの貢献にもあらためて感謝でした。また国際化の波は、郊外の小さな町にも確実に押し寄せていて、同じ町内会でも国の異なる方が結構多くいらっしゃることも知りました。

防災訓練に参加されること自体すでに前向きなことなのだけれど、国の異なる方たちの「はい、やります!」という一歩前に出ることをためらわない姿勢にはかなわないなぁと感じました。

 

少し早めにひきあげて次に向かったのは義母の通うケアセンターです。

要介護3に認定された義母は、今、週に5日このケアセンターにお世話になっています。

我が家を、そして、まさに地域を支えてくれている施設です。

スタッフの一人ひとりが素晴らしいのです。毎日が「神対応」です。

人づきあいがあまり得意とはいえなかった義母が、喜んで毎日通っているということは実は奇跡に近いことです。戦争ゆえ思うように学校に通うことができなかった義母は、いま「学校」だと思ってこのケアセンターに通っているのですが、「学校」だと思ったらそれはどんなに嬉しいことかと思います。とても行きたかった学校ですから。

その奇跡を生みだしているのは、スタッフの方たちの言葉かけ、きめ細かいお世話、心のこもった手作りのお昼ご飯、そして豊富で工夫に満ちた活動内容です。

口コミによるものなのでしょうか、通うお年寄りもどんどん増えているようです。「お祭り」という名のもとでの見学会と懇談会によって、さらに中身の充実ぶりが見えてきました。

この夏に毒蝮三太夫さんがラジオの生番組でいらした模様をスタッフが撮影され、今日はその映像も見せていただきました。毒蝮さんが軽妙なトークで、利用者のお年寄りやスタッフの方たちを相手に繰り広げる様子からは、ビデオを通してもプロのスゴさが伝わりました。

そして番組終了してさらに30分も洒脱なお話をされていかれたそうです。その模様も映されていて、「今の日本を築いてきてくれた皆さんを大切にするのは当たり前のことなんだから」というものでした。「クソババア」呼ばわりで有名な毒蝮さんの、実は愛情に満ちたお話には、お年寄りを元気づけようというパワーがありました。

そして懇談会。

やっと子どもたちの懇談会から解放されたのに・・・という思いもあったのも事実なのですが、いやいやこれは感動しました‼

いつもお年寄りが召し上がっているのと同じお食事(ボリュームも栄養もあってしかも美味しい)をいただきながら、同じテーブルのほかの利用者ご家族とお話したわけですが、いろいろなご家族がいらして、そこにはいろいろな思いがあることを知る有意義なものとなりました。

よーく考えれば実に当たり前のことなのだけれども、お年寄りのうしろにはそれを支える家族がいて、そこには日々いろんなドラマがあるわけです。介護って、ともするととても孤独でつらいものになりがちです。どうして自分だけがこんな思いをしなければならないのかと、心も身体もくたくたになる作業の連続みたいなところがあります。

でも実際にほかのご家族のお話をうかがうことで、勇気づけられ励まされることがあるのですね。

また施設長さんのあたたかさも大きな大きな力で、そのもとによいスタッフが集まり、利用者が集まり、家族がつどう場が設けられたわけです。

そして、その施設長さんこそ、最初の出会いで、「二胡の演奏をしていただけますか?」と言ってくださった方なのです。

 

中学・高校時代の同窓会参加を断念しての地元の行事への参加でしたが、心あたたまるものとなりました。

本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。