行動と発展の星 三碧木星

七夕です。雨は降っていないけれども、東京郊外のここからは星はいまひとつはっきり見えません。織姫と彦星は無事一年に一度の逢瀬に成功したでしょうか。

空に憧れて空に向かって飛んで行った大西卓哉さんは、無事国際宇宙ステーションに到着できたのかな。七夕の日に飛び立つことができた偶然(いえ必然だったのでしょう)、祝福したいですね。

 

さて、今日もこの春卒業した生徒が訪ねてきてくれました、大きく変身して…

そう見事に明るい色に髪を染めて、「今しかできない自分」を生きていました。彼女Sさんは軽音楽の後輩の応援に駆け付けたのでした。

もともと自分を表現することが得意で活発に発言・行動できるタイプの生徒でしたが、大学入学してさらにバージョンアップしていました。

大学祭実行委員に名乗り出てその企画部としてついこの間まで忙しい日々を送っていたというのです。「やる!」と決めたら即行動。高校在学中からそれはきわだっていました。

ここ何年か、高3の選択授業で古典を選んだ生徒の授業を担当することが多いのですが、自分で勉強すると決めたやる気に溢れた生徒とのやりとり程楽しいものはなく、至福の時間を過ごしています。昨年度のその授業にSさんもいて、彼女たちのおかげで新しい企画をいくつか実行することができました。彼女たちが「いいね!」と即決してくれたことが大きな原動力となったのは間違いありません。

1回目の企画は、「百人一首の歌から一首選んで発表する」というもの。生徒の力って驚く程のものがあって、大学生のレポート並みに、或いはそれ以上の工夫をして臨みます。あまりに熱心に準備するのがわかったので、学校中の先生をお招きしちゃおうか?と提案したら、みんな俄然張り切って、学校側も実に柔軟に対応して下さって、その発表の授業は実現したのでした。

選択で少人数であるということも功を奏しました。10人前後という恵まれた人数でしたから(年によってはその2倍を超える人数になることもあります)実現したのですが、Sさんはじめ昨年度の生徒たちの驚く程の積極性と行動力に寄るところがやはり大きかったと思います。

黒板の使い方のみごとな子、通常の授業では取り上げないようなことまで入念に調べあげてくる子、紙芝居を作ってくる子…工夫の仕方も様々で、個性が出ていて本当に素晴らしい発表となりました。空き時間の先生方も大勢見に来てくださって、生徒たちも大喜び。生徒たちが直接理事長先生や校長先生にもお願いしたため、お忙しい中いらしていただきました。

新月にお願いしたことが実現したのかもしれません。

せっかくの生徒の力を学校中で確認して喜びあえたら素敵だなと思い、そんなチャンスが持てることを昨年の新月にお願いしたのです。そして月は願いをかなえてくれました。

素晴らしい生徒たち。そして柔軟に対応して下さる学校。どちらにも感謝です。嬉しいことに生徒たちには大きな自信となったようです。

生徒たちは多くが推薦で大学や専門学校に進むのですが、司書教諭を目指す生徒Mさんが面接のとき「印象に残った授業は?」と聞かれてこの発表の経験をお話したそうです。実体験を踏まえて具体的な話ができたと報告してくれました。驚いたことに面接官は、彼女が「大学に入ったらこの先生に習いたい」と思っていた方だというのです。ステキです。そしてみごと合格しました。名門女子大学です。

さて、自信をつけた生徒たちは、2回目の発表授業にも挑みました。唱歌の解釈です。

日本の唱歌は古語の使ってあるものが多いのですね。わかりやすい例をあげれば「うさぎおいしかの山」などがあります。これは「うさぎが美味しい」のではなく、「うさぎを追いし」で「うさぎを追いかけた」という意味ですが、勘違いしている言葉や意味がわからないで歌っているものって実は多い気がするのです。

そこで、ひとりひとつずつ歌を選んで、文法を確認し歌の解釈をして、自分の持ち時間をフルに使ってレポートしてもらいました。これまた素晴らしい時間となりました。唱歌の代わりに校歌を選んだ生徒もいました。校歌の意味を再確認することによって学校の伝統にまで触れることができてよかったです。校歌って学校の思いが詰まった宝物ですものね。

童謡や唱歌には日本の文化だけでなく、自然や暮らし・風土など様々な情報があるのですね。歌ひとつからそこに登場する生き物の種類まで分析するなども研究をなさる方がいらして、その方の研究の講義を受講したことが昨年の授業のきっかけとなりました。知人(亡くなった母の友人)の鈴木洋一さんという方です。

洋一さんのお話はいずれまたご紹介させていただきますね。すごい人脈をお持ちの方です。あのC・W・ニコルさんとも語り合う仲なのだそうです。

 

さて、今日訪ねてきてきれたSさん、大学祭の企画部に名乗りをあげて、プレゼンをして認められ、「つなぐ」をテーマにパネルも作って貢献したそうなのです。景品も用意して、その企画は大成功だったそうです。来校者もすごい数字だったようで(聞いたけど忘れてしまいました)、その働きが先輩にも認められて来年は幹部になってリードしてほしいとまで言われたとか。すごいなぁと感心しました。さて景品ですが、「つなぐ」→「架け橋」ということで「お箸」にしたそうです。

行動力と発展性があって、特に今年は旺盛な運気を持っている三碧木星。彼女の話を聞いていて、うまくその波に乗っているなと感じました。

そろそろ恋の悩みも出てきそうなお年頃。今度訪ねてきてくれる時には、きっとそんなお話も聞けることでしょう。

本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。

上手に波に乗る心地よさを誰もが体感していけるといいですね。