歌丸師匠、お疲れ様です。~「笑点」の司会を終えられて

ちょうど一年前の5月のある日、思いたって新宿にある寄席「末広亭」に行きました。「立ち見だけどいいですか?」と聞かれて、せっかく来たのだし、そのうち途中で出ていく人もいるでしょうと入りました。

既に高座は始まっていて、落語、漫談、紙切り、奇術、漫才・・・と続き、ほとんど退席する人もないままトリを迎えました。その日のトリは、桂歌丸さん!

そうです、この歌丸さんの噺をききたくて最後まで誰一人席を立たずにいたのです。いざ高座にのぼってらっしゃると、会場全体にどよめきが起こりました。出演者が誰なのか調べもしないで足を運んだのでしたが、期せずして大好きな歌丸さんの落語がきける喜びで、立ちっぱなしで痛む足もその間は気にならなかったのでした。

演目は古典落語のひとつ「尻餅」でした。長屋に住む貧乏夫婦は大晦日だというのにお餅を用意することもできません。ご近所では餅つきの音が聞こえてきます。そこで、はっつぁん、一計を案じます。餅はなくとも、せめて餅つきの音をご近所に聞かせてやろうというのです。餅がないのにどうするのか?女房のお尻をぺたぺた叩くわけですね。

ともすると下品にも野暮ったくもなりそうな「お尻」の噺を、歌丸師匠はじつに上品に、そして艶やかに演じたのでした。

その歌丸師匠が、今日をもって長寿お笑い番組「笑点」の司会を引退されました。♪チャンチャカチャカチャカ チャンチャン♪のテーマソングも人気のこの番組のやはり目玉は「大喜利」です。六人の個性あふれる面々の面白さを生かすも殺すも司会次第、だからこそ司会の役割は大きいのですね。

次期司会者が誰になるかがずっと話題になってましたが、歌丸さんから番組の終わりに発表がありました。「独身キャラ」で人気の春風亭昇太さんだそうですね。

 

さてその歌丸さんの命式を今日は見ていきたいと思います。優れた才能がわかります。

1936年8月14日のお生まれですから

年 丙(ひのえ)子(ね) 偏財

月 丙(ひのえ)申(さる)比肩

日 戊(つちのえ)辰(たつ)正官 いう三柱になります。

一目瞭然で「申子辰(さるねたつ)」の三合水局をお持ちだということがわかります。自分が強くて「三合水局」がある場合、意志強く人の上に立ち、諸事順調な人ということになります。

たくさんの「水」は知性をあらわします。自分が弱い場合は流されて男女関係の問題が心配されますが、歌丸さんの場合は自分自身である「戊」が堤防の役割を果たしているため問題なさそうです。

しかも日にちの通名星は「正官」ですから、「正官」と「三合水局」の組み合わせは多くの人の愛顧引立を受ける暗示ですし、愛顧引立・人気はいろいろな形であらわれています。一つひとつ順を追ってみていきます。

 

よい働きをすると考えられる要素 

1、日干「戊」から日支「辰」は日徳となります。この生まれの人は、親切で温厚にして福力厚く慈善の心あり社会のためにもよく働き善行を重んじると言われます。ただし、「日徳」と「三合」が同時にある場合注意も必要で、歌丸さんの場合は、度重なるお身体の不調としてあらわれているのかもしれません

2、日干「戊」から日支「辰」は紅虫(紅艶)の働きを持ち、よくもてる星です。たとえばお店を持てば愛顧引立を受けるという星です。御年79歳というのに上品な色っぽさを持ってらっしゃるのもこの星の影響でしょうか。

3、日柱に「華蓋(かがい)」とも呼ばれる「芸禄神」を持ってらっしゃるのですが、これはまさに芸術的才能をあらわします。思慮深く多智にして文才もあるようです。ただし孤独な面があるようですが、貴い星です。

4、日干「戊」から見て月支「申」は様々な吉神を引き寄せます。宮田式の名前ですと「月合神」「地徳神」「大成神」「徳禄神」「衣食神」「福星神」「文才神」と呼ばれる星たちです。「困難にあっても助けが得られ、目上の引立てあり名をあげる」のが大成神です。「多くの人に愛され金銭の不自由少なく、自力で地位を築き財産を得る」のが福星神、「努力により一生衣食の不自由少なく徳望厚く幸福」といわれる衣食神「物事に巧みで人の知らざる徳を持つ」という徳禄神・・・などなどです。

5、日干に「丙(ひのえ)」があります。夏のお生まれで太陽を意味する「丙」二つは命式が熱くなり過ぎ、通常はよくないのですが、三合水局で「水」をたくさん持ってらっしゃるので干上がりません。この「丙」は芸能の道にはうってつけです。目立つことが好きというか自然とそうなっていくのでしょう。

10年ごとにまわる大運でも「紅艶」「芸禄神」「大成神」「人徳神」が応援し、今年は「丙申」ですから、たくさんの吉神が強化されています。ですから、人気を保ったまま、たくさんのファンや弟子に愛されての司会引退のなったのでしょう。

こういった吉神が命式内にほとんどない舛添さんとは対照的であるように感じます。

さてご病気をみる場合、「傾斜」というものでみていきますが、いま現在暗剣殺がついているのが「呼吸器系」の部屋です。また「肺」をつかさどる場所に破れがついています。ズバリ「肺」に注意です。実際は高座にのぼられた後は呼吸が苦しそうですね。ご病気について詳しくご存知の方がいらしたら教えてください。

日本の宝である「落語」という笑いの文化と今後の発展を真剣に考えているからこそ、からだの無理をおしてなお全国で高座に出ていらっしゃるのでしょう。その心意気に脱帽です。

「笑点」の司会をなさるお姿はもう拝見できないけれど、どうぞ長く現役の噺家としてファンを魅了していっていただけたらと思います。長いこと「笑点」でのご活躍、お疲れ様でございました。

本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。