真っ直ぐ❢ Part3

家にじっとしてられない日が続きましたら、玄関のお花がくたびれていました。可哀想なことをしてしまいました。そこでお花屋さんに行くと、ゴージャスな美しさを誇っている芍薬に目がとまりました。この季節のお花は百花繚乱

という言葉がぴったりで、豪華なものが多いですね。

 

さて、北陸は福井の旅のお話の続きです。

 

東尋坊で夕陽が真っ直ぐと心に届いた翌日は、永平寺を訪れました。

昨晩とうって変わって朝から雨が降っていましたが、前回訪れたときは晴れていましたので、また違う風情が楽しめると思うことにしました。

そして結構激しい雨だからこそ、人のぬくもりをより温かく感じることができたように思います。

宿近くの停留所からバスに乗り永平寺前で降りると、すぐ前のお店で荷物を預かってくれると言います。あとでお昼を食べるなりお土産を買うなりすればいいなと思ってお願いしました。このおかげで雨の中、身軽に行動できてラッキーでした❢

永平寺はやはり空気が引き締まって感じられる神聖な空間でした。聞こえるのは雨音と鳥や蛙の鳴く声。実に閑か。

 

ここで雨の中、すっくと立つ一本の木に、今回何度となく感じているメッセージの「真っ直ぐ」を見ました。

行かれたことのある方はご存知でしょうが、この永平寺では基本的に全て撮影OKなんです。カメラを向けてはいけないのは、修行僧に対してです。実にすがすがしい修行中のお坊様が、床の拭き掃除をするところに出会いましたが、姿勢の美しさに思わず見とれてしまいました。

そのお坊様のことを「雲水」と呼びますが、朝3時に起床するとまず「座禅」を組みます。背筋を伸ばして姿勢を正し静かに息を整えて坐ると、心も整い仏様の徳がそなわるのだそうです。

次に「朝課」と言って朝の読経(どきょう)が始まります。東の空が白み始める頃、修行僧のぴたっとそろったお経を唱える声が永平寺の山内に響き渡るそうです。

読経を1時間した後にやっと「行鉢(ぎょうはつ)」と呼ばれるお食事です。お食事も大切な修行の場ですから、無言で「命をいただく」ことをなさいます。

感謝して「いただく」という行為には学ぶものがありますね。「いただきまぁす!」という食前の挨拶には、「命をいただく」という意味がこめられていたわけです。

お食事は動物性のものは一切とらない、いわゆる「精進料理」です。胡麻は貴重な栄養源。そこで永平寺などのお寺では胡麻から作った胡麻豆腐はご馳走なのですね。お野菜も全て使いきる。たとえばピーマンの種すら揚げ物にしていただくそうですし、剥いたお野菜の皮も出汁(だし)として使いきるそうです。

 

さて建物はといえば、その木組みの美しさは目をひきます。天然の木のエネルギーをそのまま生かした造りは、力を感じます。

そして、最後にこんな言葉を見つけました。

「最初の一歩」

何事においても、最初の一歩を間違えるととんでもない方向へ行ってしまいます。

仏道の修行は自分が救われるためではなく 世のため人のためにつくすことです

この習慣から最初の一歩を踏み出しましょう

 

永平寺を出るときには、もう雨はあがりそうでした。そして荷物を預かってくれたお店で、胡麻豆腐つきのお昼をいただき、大満足!

こんなポスターも見つけました。

 

縦に真っ直ぐに伸びた墨の線は、」実に力強く、人はやっぱり「真っ直ぐに生きるがよい」と説いているように見えました。

本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。