言葉の贈り物

子育て貧乏、という言葉があるかどうかは知らないけれど、我が家はずっとそんな感じできました。

4人の子どもたちにはなるべく隔たりや片寄りがないようにということは意識してきたつもりです。与える物もできるだけ同じようにと心がけてきました。習い事はひとり一つ、小学校に通うためのランドセルは近くの新春売り出しで特売の8000円のもので全員同じもの。旅行は年に一度、なるべく全員で行く。そういえば、ディズ二―ランドは家族全員では行ったことがありません。

習い事をひとり一つと決めたため、ピアノを習うことにした女の子3人は、スイミングに通うチャンスをなくしました。たまたま3人が通った幼稚園にプールの指導があったため「それで十分」と思ったけれど、今どきはほとんどのお友だちがスイミングできれいな泳ぎを習うので、小学校では最初から「泳げない組」になってしまったようで可哀想なことをしました。

末っ子の長男は、女の子3人とは違う幼稚園に行くことになり、そこはたまたま「サッカーで育てる」という方針の幼稚園だったために、長男の習い事はそのサッカーのみ。「仲良しのお友だちがプールに行く間その子と遊べない」という理由からお友だちと同じスイミング教室にいったんは通ったものの、親も本人もあまり熱心になれずに間もなく退会。

そんなわけで、我が家の4人の子どもたちは、いまだに泳ぎに積極的ではありません。

 

ランドセルも今は中間色の水色やピンク色などカラフルで個性的。お値段も驚くような価格になっていますね。我が家では女の子は全員シンプルな「赤」、長男は「黒」、新春特売ですから選びようがありませんでしたが、「これが一番」と思って買ってあげていました。

ディズ二―ランドは、2番目の子までは一緒に行ったことがありますが、せっかく近くに多摩動物公園があるので、休みには我が家はもっぱら動物園に行ってました。

「夜の動物園」という企画に参加したこともあります。夕暮れから夜にかけての動物たちの様子をながめたり、昼間チンパンジーが遊んでいる遊具が開放されたりしたのだったと思います。昼とはまた違う光景に新鮮さを感じながら、サバンナの趣きある場所でバーベキューをするという楽しみもありました。

地元の中学に行った長男は、サッカーをやってなかった一時期、休みはよく友だちと遊びに出かけてましたが、「鬼ごっこに行ってくるねー」と言って動物園に行ってました。広くて傾斜も多い園内が、走り回りたい中学生男子にはうってつけだったのでしょうね。

 

義母もいれて7人家族の我が家にしょっちゅう訪れるのが「お誕生日」です。夫と三女は誕生日が同じため年に6回の誕生日。1月、2月、3月、4月、8月、10月・・・と訪れる我が家の行事。

1月生まれの次女の場合は、クリスマスが終わって、お正月にお年玉をいただいて、間もなくやってくるのです。

クリスマスはサンタさんが来るのを楽しみにしているし、お年玉をあげないのはかわいそうだし・・・

そこで考えたのが、「言葉の贈り物」という作戦です。

誕生日のプレゼントは忘れられなければ二人のおばあちゃんからいただけます。私たち親からは、ケーキと「言葉」のプレゼントにしよっと!

最初は私が用意した「色紙」に全員が言葉を書いて、誕生日の本人に渡していましたが、そのうち子どもたちが用意してくれるようになり、イラストやメッセージも工夫されるようになり、この習慣はついこの間まで続きました。

私自身が最も嬉しかったのは、母を亡くした日の色紙でした。以前にも書かせていただいた通り、母は私の誕生日にこの世を去りました。母を亡くしたその晩のことはよく覚えていないのですが、葬儀の打ち合わせだので遅くに帰宅して、へとへとになってお布団にもぐりこもうとした時に、夫と子どもたち全員が「おかあさん!」と言って渡してくれた色紙は本当に嬉しかった。自分のことなどどうでもよかっただけに思いがけないプレゼントでした。

そのうちそれぞれ子どもたちも成長し、誕生日の当日に本人がいない・・・えっ飲み会?・・・外でどうやら祝ってもらってるらしい・・・などということが続き、この習慣は自然消滅してしまいました。

 

さて先日、次女の誕生日。仕事で遅くなるひと、バイトがあけられないひと、急に用事が入ってしまったひと・・・仕方ないので、我が家での誕生会は見送ることとして、次女と待ち合わせをしてお買い物でもしましょうということになりました。

特に欲しい物もないという次女ですが、待ち合わせしたお店をながめているうちにちょうど気に入った物も見つかり、私も仕事帰りでくたびれたのでちょっと休もうとカフェに入りました。

しばらく話をしたあと、シータヒーリングをさせてもらいました。さっそく最近身につけた「リーディング」をやらせてもらうことにしました。相手の体内を読みとる際には口頭での許可が必要です。こちらが親であっても勝手にはできません。

目を閉じてすぐに見えたのが「スキー場のリフト」でした。が、体内をよみとらせて下さいと再度「天」にお願いすると、ピカピカするものが線上に動き回っているように見えました。セミナー期間中には見えなかった「ホルモン」の流れだなぁと直感しました。

娘にそう告げると、「めちゃくちゃ体調はいいよ‼」との答え。

さらに「スキー場のリフトが見えたんだけど・・・」と言うと、「誰にも言ってないのにどうしてわかったの?!」とびっくりしていました。「友だちからスノボに誘われたんで、昨日も眠る前にずっとスキーウェアのカタログ見てたんだよね~。よくわかったね!びっくり‼」とのこと。

私の方こそびっくりしました。

最後に「これ、お姉ちゃんからおばあちゃんに♡」と言って、洒落た和菓子のプレゼントを渡されました。甘い物に目がない義母は、誰からのプレゼントかは認識できているかわかりませんが、喜んでいます。喜びの感情がいっぱいになった頃、認知力もきっと回復するに違いないと奇跡を信じる私です。

形あるものはやがて消えていくけれど、「言葉のプレゼント」は心に残っていくといいなぁと思う私です。

本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。