飛ばなくなった蚤のお話

昨日から、高校の授業が始まっています。

生徒たちは本当にこちらの声かけ一つで反応が大きく変わります。

また、1時間の授業の手ごたえは、教室に足を踏み入れた途端におおよそわかったりします。

 

夏の疲れが残ってないのかな?なんて心配をよそに、生徒たちは興味をひけば真剣に取り組みます。

本当にすばらしいんですよ。

だからつくづく思います。

 

生徒を生かすも殺すも、教師の対応次第なのだと・・・

 

もっと言うなら、子どもたちを生かすも殺すも大人の在り方次第なのではないかと思うのです。

 

今日はずいぶん強気な感じで書き始めてしまいましたが、昨日と今日の生徒の様子を見ていて感動することが続いたので少し興奮していると思ってご勘弁ください。

 

台風が大変な被害をあちこちにもたらしていますが、私の勤めている高校も今日は午後が休校となりました。

午前中はばっちり授業・・・

2時間続きの「表現」の時間で、今日は「ありがとう」のワークをやってもらいました。

 

そこでも感動する言葉がたくさん聞かれましたが、最後に話した「飛ばなくなった蚤(ノミ)」の話に生徒たちは心を動かしてくれたようです。

 

どんなお話かといいますと・・・

蚤(ノミ)はご存知ですか?

私は小さい頃、猫を飼っていましたので、慣れ親しんで(?)いました。

よく蚤取り用の櫛でよく猫の毛を梳いていたんです。

このブログを書くにあたり、久しぶりにそのことを思い出しています。

まるで趣味のように「蚤取り」をしていましたね、小学生から中学生くらいまでの間のことです。

 

実はあの蚤、1ミリくらいの大きさなのに、なんと1メートル近くもジャンプすることができるんですって。

見つけた!と思うと次の瞬間にはどこかにジャンプしていなくなってるんです。

「京の五条の橋の上」で弁慶の薙刀(なぎなた)からヒラリと身をかわす牛若丸みたいです。

 

その蚤を蓋のついた容れ物に入れます。

30センチくらいの高さのところに蓋があるわけです。

何度かチャレンジするもののジャンプする度にぶち当たるんです。

 

そうするとこの蚤さん、どうすると思いますか?

 

飛ぶことをやめてしまうんです。

 

そして、蓋を取っても、もう二度と飛ぶ選択をしなくなるのだ、と言います。

 

なんだか悲しいですね。

 

このお話にはいろいろなヴァリエーションがありますが、つまりは

失敗ばかり繰り返すと、せっかくチャンスが与えられても「またダメだろう」と決めてしまう。

そしてチャレンジすることを放棄してしまうようになるんですね。

 

これ、人にも同じことが言えるとしたら・・・

 

こんなに残念な話はありませんね。

 

こんな話を生徒たちに聞いてもらい感想を書いてもらいました。実はもうひとつ「鎖をつけられた象」の話もしました。思い鎖で柱につけられた象、何度も逃げようと頑張りますが鎖から自由になることができないで疲れてしまうんですね。疲れ果てた象の足かせを外してやっても、もはや逃げていくことをしなくなってしまうというお話です。

この二つの話を聞いた感想です。

常日頃、夢の叶え方や潜在意識の活性化などの話をしていますので、とても意識が高くなっているかもしれません。

 

生徒たちの了承を得ていますので、ご紹介しますね。

 

★蚤の話、他人事ではないなと思いました。私も今までいろんな失敗をしてきました。そのために「私ってダメだなあ!力がないのかなあ!」と何かよい話が来ても断ったりしていました。でも、もしかしたら、次の一歩は可能性のある一歩かもしれないですよね。勇気を出して飛んでみようかなと思うお話でした。

 

★小さな一歩を踏み出すか踏み出さないかで、できるできないが変わってくるんだなと思った。できない経験をたくさんして、それが積み重なると、どうしてもあきらめがちになってしまうものだなとも思った。できる体験をたくさんして自分を認めてあげることで、潜在意識をどんどん変えていきたいです。

 

★飛ばなくなったノミの話を聞いて、自分も同じだなと思いました。私はできないからやらなくなったので、そういうあきらめや辛さがわかります。中学生のとき、あきらめさせられた経験もあります。私はあきらめさせるんじゃなくて、夢を与える人になりたいと思います。

 

★「できないと思ったら、そこでドアが閉まってしまう」・・・私にはそのように聞こえたお話でした。一つ一つ感謝して自分を認めていきたいと思います。先生の言葉はどれも響きます。

 

★たくさんダメを経験するとできなくなるのは本当なんだなと思いました。だから、これからは少しでもできる事、良い事を経験していきたいと思います。

 

★できることをいっぱい増やす‼ ことは私の日々の目標でもあるので、小さいことから少しずつ始めていって、いつか振り返ったときには大きなことになっている、そんなことを信じて大事にして、これから先の進路に役立てたいなと思いました。

 

★象が足にくさりをつけられていて、外されたときもう歩けるはずなのに歩くのをあきらめてしまう・・・悲しいですね。私はあきらめる人生はいやだから、出来ることならばなんでも挑戦できるような人生を送りたいです!

 

★ノミやゾウの話を自分に置きかえて聞いていたら、もしかしたら自分もチャレンジしなくなっていたかなと思いました。どんな事にもチャレンジしていきたい、ダメだと思っても挑戦し続ける人になりたいと思いました。

 

★今の話を聞いて確かにそうだと思った。ずっと嫌なことをされているといつからか望まなくなる。でもやっぱりそんなことはとても悲しいので、いきなり全員の意識を変えることはできないけれど、私から、この話を聞いた人たちから、優しい言葉であふれるような世界にしていきたい。

 

★自分の中にある知らないものを知るのは怖いけど、プラスになるものを自分に与え続ければ、きっといいことが起こるだろうと思いました。「小さな一歩が一番大切」という先生の言葉、心にとどめておきたい言葉でした。何かできた時に、次の目標が見えてくるはずだから、一つ一つ小さいかもしれないけど、なりたい夢に向かって頑張りたいです。

 

★今まで出来なかったこと(高校受験に落ちた、テストの点数が悪いなど)を思い出すと私もあきらめてしまいそうになるけれど、先生の話を聞いて、小さくてささいなことでもいいから、「私はできる!」と思いたいです。

 

★「人間」だから、虫や動物のような経験はしてないけど、これから大きな壁にぶち当たった時に、何度挑戦しても無理だからと諦めずに、小さい経験をたくさん積んで、できないをできるに変える。

 

まだありますが、この辺で・・・

 

高校生は言葉かけ次第で、どんどん変わります。

おとなも変わっていきたいですね。

 

本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。