オリンピックを夢や幻に終わらせないために

昨日8月6日、南米初のオリンピックが開催されました。各国の入場はとてもカラフルでしたが、洗練よりもむしろ素朴さを感じました。聖火が点って空に上がっていき、巨大な太陽をかたどった彫刻が動き始めた姿には感動を覚えました。絵本で見たことのある南米らしい力強いパワフルな太陽に見えたのです。

太陽は日本ではアマテラスオオミカミ、この世を照らす存在です。

ルーンストーンではSのかたちの「シゲル」という石が太陽をあらわします。北欧で生まれたルーンにおいて、この石の持つ意味は重要です。

タロットカードにも「太陽」を意味するものがあります。このカードは、屈託のない明るさや溢れるエネルギーをあらわします。「成功」や「喜び」も意味します。

そして四柱推命においては、太陽は「丙(ひのえ)」、空に輝き大地を照らす存在です。そして今年は「丙」、まさしく太陽の年です。

 

つまり、世界のどの国も民族も「太陽」からは「恵み」を受け取ってきたということがわかります。さらに付け足すならば、ブラジルの熱い太陽は「愛」や「情熱」をも意味するものと思われます。

しかし熱すぎる太陽は深刻な水不足を起こします。「水」がないと植物は枯れ、大地は涸れ、生き物は渇きを覚えます。「水」は「知性」と同時に「情感」もあらわします。これが不足する事態は問題です‼

 

ロシアのドーピング問題、開催国ブラジルの治安問題、いろいろなことが浮上している今回のオリンピック。世界全体ではテロや難民の問題解決が急務の時代です。

オリンピック開催が決まった段階では、ブラジルはBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国といった2000年以降著しく経済が上向いてきた国)の一つとして目覚ましい発展を続けていくと思われていたのでした。

いま現在、ブラジルの抱える問題は深刻ですが、開会式の模様をざっとながめると粗削りながら楽しげに陽気に踊り、会場の高いところに大きな太陽が輝いています。

どうか最後まで、無事で平和なオリンピックでありますように。

そしてせっかく「平和」を宣言するなら、もっと「広島」を話題にしてほしかったと思います。何のための8月6日なのか、もっともっと話題にすべきだったと思います。今の時代だからこそです。

 

今日のTBS「サンデーモーニング」の「風をよむ」では、これまで広島を訪れた方をとりあげていて意義深かったです。放送されたものをそのままご紹介させていただきます。テレビはメッセージの効果を重視する順番でしたが、ここでは年代順に並べ替えをさせていただきます。番組では橋谷能理子氏が優れた語りをしていました。

1948年10月(終戦から3年目) ヘレン・ケラー(日本を愛した偉人)

1959年7月  チェ・ゲバラ(キューバ革命の英雄)

1966年10月 J・P・サルトル(フランス哲学者)

1980年11月 ダライ・ラマ14世(チベット仏教の最高指導者)

1981年2月 ヨハネ・パウロ2世(ローマ法王)

1984年5月 ジミー・カーター(アメリカ元大統領)

1984年11月 マザー・テレサ(ノーベル平和賞受賞したカトリックのシスター)

1990年1月 ボリス・エリツィン(ロシア初代大統領)

1992年4月 ミハイル・ゴルバチョフ(旧ソ連元大統領)

1995年8月 リヒャルト・ワイツゼッカー(ドイツ元大統領)

2003年3月 フィデロ・カストロ(キューバ議長)

2015年7月 ジミー・ペイジ(ギタリスト)

2016年5月 バラク・オバマ(現職のアメリカ大統領)

 

広島・長崎に原爆が投下されてから71年。風化させない努力をしていかないと、オリンピックなどできない世の中になってしまいそうです。

番組内で、評論家の大宅映子氏は広島に来ていただきたいのと同じように、日本人はハワイに行った際にパールハーバーのアリゾナ記念館に冷徹なる歴史の事実を知るために足を運んでほしいと語っていました。

元サッカー日本代表のスポーツ中西哲生氏は「スポーツができることって平和であることの象徴。平和であることの有難みを感じるべき」とのコメントを発していました。

このオリンピックを夢や幻で終わらせないために、真面目に「平和」を考えていきたいと静かに思っています。

最後までおつきあいいただきましたこと、お礼申し上げます。