稀勢の里、奇跡を呼び込む

大相撲の千秋楽、驚きましたね。

今年の初場所で優勝して、めでたく横綱となった稀勢の里。

久しぶりの日本人横綱誕生に、話題沸騰して人気もウナギ上り。

 

横綱となって初めて迎えたこの大阪での春場所は、12日目まで人気を裏切らない連勝で、優勝を期待させていました。

ところが3日前の荒鷲との取り組みで痛めた左肩が原因で、おととい日馬富士との取り組みは力が入らず、仕方ないとはいえ応援するファンも拍子抜けしてしまう内容でした。

そして昨日。

一敗の照ノ富士が勝った(琴奨菊とは真っ直ぐ当たらずに勝ったため「帰れ」というブーイングが起こりました)のに対して、稀勢の里は鶴竜に負けて二敗に後退。

 

一昨日、昨日、と力の入らない様子を目の当たりにしたほとんどの人は、「ずっと勝ってたのに運がなかったなぁ」と思って今日の取り組みは期待しないで見ていたのではと思います。頑張れの気持ちは強いものの、無理しないでと思うファンもかなりいたはずです。

毎日新聞のスポーツ欄には「千秋楽の2人の直接対決は、本割で照ノ富士が勝てば優勝。稀勢の里が破れば決定戦に持ち込めるが、けがの具合から厳しい状況」とあります。

「土俵下で見ていた元大関・若嶋津である二所ノ関審判長も『本割まで稀勢の里が勝つのは厳しいなあ』と照ノ富士優位と見る」という言葉まで紹介されていた程です。

 

まず本割(発表されている正規の取り組み)で照ノ富士をみごとに破りました。

照ノ富士は、昨日勝ったものの「注文相撲」によるものだったため、後味が悪かったものと思います。

「注文相撲」とは、「変化」とも呼ばれるそうで、正面から相手とぶつからずに、ぶつかる瞬間に身をかわして相手の体勢を崩すもので、横綱や大関クラスのお相撲さんが大切な取り組み(大一番)でこれをやるとこれまでも批判の対象となってきました。

 

今日のまず最初の(本割での)取り組みも、優勝決定戦での取り組みも、照ノ富士は昨日のブーイングを引きずっていたのかもしれません。焦りが感じられました。

立ち合いの呼吸が合わなくて、稀勢の里は自分の「手」をよまれてしまいましたが、落ち着いていました。

「手」を変えた本割での取り組みでは、文字通り「土俵ぎわ」まで追い詰められますが、みごと突き落としで下して13勝2敗で照ノ富士と並びます。この時の観客の歓声は、ここ数年なかった程だったようです。確かにテレビ観戦していても伝わる程の興奮と熱気でしたね。

さらに優勝決定戦。さすがに疲れがあるかと思ったものの、焦りを見せたのは照ノ富士の側でした。

稀勢の里は、名前通りの「稀にみる勢い」で「里(人々)」の応援と大歓声を味方にして、みごと勝利しました‼

 

国歌を聴きながら涙をこらえきれない稀勢の里は、横綱になったときより強く感じるものがあったようです。

 

横綱になってすぐの場所を優勝で飾るというのはそうそうあるものではないようで、かつて貴乃花がやってみせた偉業から、22年の歳月が流れているそうです。

 

いろいろな意味でスゴイけど、そんな稀勢の里って一体どんな人?

誕生日からどんな人物か探ってみますね。

 

1986年(昭和61年)7月3日生まれ 

年 丙寅(ひのえとら)

月 甲午(きのえうま)

日 戊申(つちのえさる)

 

今年の誕生日で30歳となり、今年はちょうど節目の年です。(30歳だからということではなく、人によってどこが節目かは異なります)

誕生日までの大運は「丁」がまわり、それ以降は「戊」がまわり、いずれも「戊(つちのえ)」である自分を強めます。

「木火土金水」の五行の当てはめると、「丙(ひのえ)」は「火」、「寅(とら)」は「木」、「甲(きのえ)」も「木」、「午(うま)」は「火」、「戊(つちのえ)」は「土」、そして「申(さる)」は「金」となります。

つまり、「火」→「土」→「金」という流れがあって、特に自分自身の「土」を生み出す「火」の要素がめちゃくちゃ強いということがわかるのです。さらに自分自身を発揮する「金」も持っています。

誕生日を過ぎると、大運は「戊戌(つちのえいぬ)」となり、そうすると「寅・午・戌」の「三合火局」となり燃える「火」の勢いがさらにパワーアップします。

ただ、「火」だけに勢いが強いですので、ヒートアップし過ぎると身体がきつくなりそうです。

 

自分を生み出す星を「印星」と言いますが、この特性として

1、目上の引立てがある

2、技芸を生かすことが向いている

3、とりわけ古典芸能や伝統的なことに携わりがち

4、おっとりしてみられる

5、母親との縁が深い

などがあげられます。当たっていそうですね。

 

社会運には「帝王」が付いています。活躍を予感させます。

 

気学では「五黄土星」です。9つある星のうちの真ん中を占める星、それが五黄ですからともかく強い強い‼

いわゆる「ごうの寅」言うのは、実は「五黄(ごおう)の寅」のことで、自分を強く持っています。自分を曲げることをしません。全体を統制します。自尊心も相当で、独立独歩の気持ちを持っている人が多くいます。

特に今年の「五黄」は南の位置にいますから、「南」の方位の影響で何をやっても目立ちます。自分を売り出すにもまたとない絶好のチャンスです。果敢に積極的になるときでもあります。

「我が道を行く」タイプなのですが、「きかない面」を持ちつつも「純情な面」もまた併せ持ち、それが強くても好かれるゆえんかもしれませんね。

 

それにしても、土壇場の強さを見せた稀勢の里、奇跡ともいえそうな優勝を勝ち取ったのは、自分がいない場所はあり得ないという思いの強さでしょうか。怪我をしても「出場する‼」と決めて、家族と食事に行こうとしたトレーナ~を東京から呼び寄せたそうです。

優勝杯を持つ時に左肩をかばう姿から、怪我の重さを語らないものの相当な痛みがあることがわかりました。常に怪我がつきまとうお相撲さんは油断のできない厳しい世界ですね。

 

そんな中、周囲の方たちへの感謝の思いを語る稀勢の里は、勝利を引き寄せました。「感謝」する人の強さを見た思いです。

 

本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。