ふと思うときって相手も思っていたりする

昨日の朝、生徒とばったり会いました。2時間目からの授業に間に合うような時間ですので、生徒にとっては遅刻の時間です。昨年度教えていたけれども休みがちでしたので気にとめていた生徒です。

「最近は元気なの?」と尋ねると、「わたし、学校やめたいの」といきなり本題に突入。

学校がきらいなわけではないのだけど、朝起きられなくてつらいから、通信の学校に行きたいのだと言います。よく聞くと低血圧なのだそうです。かつて私も低血圧でつらい時期がありましたから、ひとごととは思えません。傍目にはわからないので、「怠け病」とも呼ばれて本当に辛いのです。

私の場合は漢方のお薬と食生活の全面的な見直しが必要でしたが、大切なのは生活のリズムかなと思います。自分の場合はどうやって乗り切ったか、参考になればと経験談を伝えました。朝はそんなことで別れたのですが、帰りもまたまたばったり!そこで、朝伝えそびれたことを言いました。「学ぶことを続けていってね」ということです。「うん、勉強はきらいじゃないから」と生徒。

 

彼女と別れて歩いていると、ふとかつて学校を去っていったAMIさんのことが思い出されました。華やかな雰囲気の生徒でしたが、出席日数が足らずに途中でやめていった子です。高2の時に現代文で漱石の「こころ」を取り上げていたとき、彼女の捉える人物像は常に的を射たものでした。

語彙も豊富だし理解力も抜群でしたのでその理由(わけ)を尋ねると、「中学のときの先生が、『こころ』は何度でも読み返しなさいというからそうしてるの」とのこと。華やかな雰囲気と「漱石」は結びつかなかったので、それは心地よい驚きとなりました。

そのAMIさん、3年前の3月の終わり、土曜日の午後八王子で偶然会いました。二胡の教室の帰りでしたので鮮明に覚えています。「学校続けられないの。昨日やめた」という彼女の言葉に「残念だ」と強く思ったのを思い出します。何かあったら連絡してねとメアドを教えました。その後通信制の学校で頑張っているというのは聞いたけれども、今どうしてるのかなあ。

今日、「あみ」という人がLINEでつながりを求めてきました。びっくり、AMIさんです!

そういうことだったのかと思いました。

「AMIさん元気?」「お久しぶりです!先生はお元気ですか?就活してます」とのこと。「ひとつ内定をいただいていたけれども断って、それが無駄にならないように次を頑張らなきゃって感じです」

もともと賢くて気働きもできる子だから、そんな彼女にふさわしい職場がきっと見つかることでしょう。

小説やドラマにしたらあまりに嘘くさいことが、私のまわりでは多く起こります。一緒に行動して下さると本当だとわかっていただけると思います。

ふとある人のことが思い出されるときっていうのは、相手も思ってくれてるのか。もしかしたら無意識かもしれません。人の無意識の世界はまだまだ解明の余地がありそうですね。

本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。