唯一無二の存在であること

どんな一日をお過ごしですか?

今日は今月下旬にある二胡の発表会のためのリハーサルに出かけてきました。池袋の芸術劇場の地下の会場でした。牧先生のご指導はダイナミックで、その時々で最も大切なことをポイントをおさえて教えて下さるのですが、今日は大先生である張会斌(ちょうかいびん)先生の直接のご指導をいただきわくわくしました。指揮をして下さることで、曲がいきいきしてきたように感じました。

本当に好きなことに打ち込んでらっしゃる方と接することで得るものって言葉であらわせないものがあると思います。そこにはエネルギーが感じられるのです。

この夏のリオ・パラリンピックの閉会式で片足ダンサーとして多くの人の心をつかんだ方のこと覚えてらっしゃいますか?大前光一さんという方です。先ほど、その方のことがテレビで紹介されていました。

大阪芸術大学でバレエを学んで、あと少しでプロとして活動できるという23歳のときに事故に遭われたそうです。飲酒運転の車にひかれて左足を切断する事故です。

ただ生活する10年間を経て、大前さんは「片足でも踊ろう!」と「決めた」のですって。

番組内での大前さんは実に明るいのでした。そこに至るまでの葛藤は並み大抵のことではなかったことでしょう。大前さんがどんな心の動きをされたかは定かではありませんが、私だったら「何であのときあそこに居合わせてしまったんだろう?」と自分を責めたり、お酒を飲んだ違反者を恨みに思ったり、両親に申し訳なく感じたり、普通に2本足で生活している人と一緒にはいたくないと思ったり・・・いろんな感情が渦巻くことと思います。

10年で恐らく抱いた色々な感情を乗り越えて、大前さんは「唯一無二」のダンサーを目指すようになるのです。

その結果があの誰にも真似することのできない独創的でユニークで美しいダンスだったのですね‼

番組内で、大前さんのお母さまだか指導された方だかが語っていた言葉。「事故に遭って足を失うということはあらかじめ決まっていたことなのでしょうから、それを受け止めていくことが彼の人生」というような言葉にハッとしました。

昨日の内容にもつながるメッセージだと思いました。

ある重大な役割を引き受けてこの世に生まれてきた方の若い頃は、案外試練があるようだということです。自分が選んで引き受けた役割に気がつくための出来後(試練と呼ばれるもの)が起こるようです。何故なら、せっかく引き受けたミッションなのに、生まれるときに通る層によって忘れてしまうらしいので。

唯一無二。

大変な覚悟が必要です。

考えただけで武者震いが起こります。その孤高な姿を想像すると涙が出そうです。

でも、孤高ではあるけれども孤独ではないと思います。

大きな力が必ず応援するからです。

皆さまの中にも大きな使命を選んでこの世に誕生された方がいらっしゃることでしょう。

また、大きな活躍などしなくても、人はだれでも「唯一無二」の存在です。人を同じである必要はなく、それぞれが自分の持ち味を生かしていけたら素敵ですね。

大前光一さん、ダンスのコンクールに健常者のダンサーと4人で臨んだ様子が番組で放送されていました。結果は2位。次につながると喜んでらっしゃいました。どこまでも前向きな姿に恐れ入りました。

1979年9月27日生まれの大前さん、「丁酉(ひのととり)」の「日貴」のお生まれです。たくさんの吉神が彼を応援しています。聡明で品位のある方のようです。しかも「丁(ひのと)」の日干ですから、まさに文化の星です。

これからも「唯一無二」の存在として文化を牽引(けんいん)していって下さると期待します。

本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。