塞翁は占い師だった

台風による被害があちらこちらで報告されています。

激しく降り続く雨で地盤が緩んでいるからまだまだ心配ですね。

我が家の近くを流れる川は何とか決壊せずにすみました。

とはいえ、テレビの向こうの被害もとても他人ごとではありません。

 

そして、国政を左右する大きな選挙というタイミングでの台風‼

 

台風は前もって予想できたので、期日前投票をなさった方も多かったようですね。すばらしいです。

当日雨の中、投票におでかけになった皆様もお疲れ様でございました。

私も当日起きると同時に選挙に行ってまいりました。

トップバッターで投票される方が投票箱の中を見せてもらっているのを目撃しました。

 

さて、選挙ほど先のよめないものはないと言われます。

予想がでることでまた流れが変わったりもするからです。

最後の最後まで得票は読めません。

ただひとつ言えることはあります。

 

それは、今の時点で「よい」と思われることが、

次のときに必ずしも「よい」とはならない、ということです。

 

反対に、いま「悪い」と見えることが、

次の段階では「よい」に変わることだって起こるのです。

 

そんなことを言ったのは、「塞翁が馬」のお話の「塞翁(さいおう)」です。

北方民族である「胡(こ)」との境の砦(塞)近くに住んでいた「塞翁」は「術をよくする者」であったそうです。

つまり未来を予測するFortune Teller、占い師だったのですね!

 

ある時塞翁の馬が胡に逃げて行きました。馬といえば生活に欠かせない存在だったでしょう。家族の一員であり、自家用車でもあり、ひと財産であったはずです。

ですから人々は「お気の毒に」と慰めます。けれども塞翁は「これは福を招く」と言うのです。なんたってFortune(未来)を語る人ですからね。

すると数か月後に、逃げた馬は胡の国の駿馬を連れて帰ってきます。足の速い有能な馬は何より価値のあるものです。人々は「おめでとう、よかったね」と言います。このとき塞翁は「これは災い(禍)を招く」と答えます。

やがて二頭からは仔馬がたくさん生まれます。塞翁はその子に馬を与えます。乗馬を好んだその子は馬から落ちて大腿骨を骨折してしまいます。

骨折は大変です。人々はまた「お気の毒に」と慰めの言葉をかけます。ところが塞翁は「いやいや、これは幸いになるのじゃよ」と予言します。

それから一年、胡との間で戦いが始まります。働き盛りの男たちは皆争いに狩りだされますが、その子は足を引きずってますから戦えません。そして十人中九人は戦死してしまう中、塞翁とその子だけは助かりました。

 

この話の最後は「幸いと災いは予測のつくものではない」という言葉で結ばれます。

話そのものは塞翁の見立ての確かさではなく、物事は先が読めないものだということに重点が置かれているのです。

 

ひるがえって今回の選挙。

全く先のよめないものでした。

 

しかし私たちは大きな学びをしたと思います。

「驕り」は禍を招く、ということ。

反対に、不利な立場でも「志」のあるところには福を招く可能性もあるということ。

いついかなる形でどんでん返しが起こるかもしれないことは全ての国民が学んだのではないかと思うのです。

 

今回の結果を見て、塞翁ならなんと言ったでしょうね。

まだまだ先はわからんよ。

 

これからをみんなで作りだしていきたいものです。

 

本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。